今年はなぜか堪える、その「急な寒がり」

明大前はり灸院院長の榊原です。今年の秋は例年より朝晩の空気がひんやりと感じられるようになりました。「今年に限って、急に寒がりになった気がする」——そんな声を、来院される大人女性の方からこの季節によくお聞きします。厚手の靴下を履いても足先が冷えたままだったり、湯船に浸かってもしばらくすると体がまた冷めてしまったり。以前は平気だったはずの気温なのに、今年はなぜか堪える。そんな「季節の変わり目の冷え」で来院される方が、この時期は少しずつ増えてまいります。急に寒がりになったと感じると、「これは老化なのか」「何か病気なのではないか」と不安になる方も多いのですが、まずはご自身の体に起きている変化を知ることから始めてみましょう。当院にも同じお悩みで来られる方が多くいらっしゃいますので、決してめずらしいことではありません。

なぜ急に寒がりになるのか

50代前後になると、女性ホルモンの分泌が少しずつゆらぎ始め、体温を一定に保つ役割を担う自律神経にも負担がかかりやすくなります。自律神経は、血管を収縮させたり拡張させたりして、体の中でつくられた熱を隅々まで届ける働きを持っています。ところが、ホルモンのゆらぎや長年の生活習慣の積み重ね、ストレスなどが重なると、この調整がうまく働かなくなることがあります。すると、外の気温がそれほど下がっていなくても、体は「寒い」と強く感じてしまうのです。東洋医学の視点では、このような状態を「気」や「血」の巡りが滞った状態としてとらえます。特に秋は、夏の冷房で冷えきった体をゆっくりリセットする間もなく気温が下がっていくため、巡りの乱れが一気に表面化しやすい季節だと言えます。加えて、季節の変わり目は気圧や気温の変動そのものが自律神経への刺激となりやすく、体調のゆらぎを感じやすい時期でもあります。

なぜ鍼灸で楽になるのか

鍼灸によるケアは、たとえるならアクセルを踏みっぱなしになっている自律神経に、そっとブレーキを思い出してもらうようなものです。体にとって心地よいツボへの刺激によって血流をゆるやかに促し、熱をつくる力と、その熱を体全体に巡らせる力の両方を整えていきます。強い力で一気に変化を起こすのではなく、もともと体が持っているバランスを取り戻すお手伝いをするというイメージです。継続して施術を受けていただく中で、「気づいたら以前より冷えを感じにくくなっていた」「靴下を重ねなくても眠れるようになった」と話される方も多くいらっしゃいます。もちろん冷えの感じ方や体質には個人差があり、変化の現れ方も人それぞれですので、じっくりと向き合っていくことが大切です。

当院での施術のながれ

はじめてご来院いただく方には、まず問診にしっかりとお時間を取り、いつ頃から寒がりを感じるようになったか、他にどのような不調を感じているか、生活習慣などを丁寧にお伺いします。そのうえで、体質やその日の体調に合わせて、やさしい鍼と心地よい低温のお灸を組み合わせて施術を行います。完全個室のプライベートな空間ですので、周りを気にせずゆったりと過ごしていただけます。通院の目安としては、体の状態を整えていく最初の1〜2ヶ月は週1回程度のペースをおすすめし、変化を感じられてきたら2週に1回、さらに落ち着いてきたら月1回程度と、徐々に間隔を空けていく形にしていきます。お一人お一人のペースに合わせてご相談しながら進めますので、ご安心ください。

おうちでできるセルフケア

ご自宅では、足の内側、くるぶしの一番高いところから指4本分ほど上にある「三陰交(さんいんこう)」というツボを、指の腹でゆっくりと押したり、蒸しタオルなどで温めたりしてみてください。血の巡りを助けるツボとして知られており、冷えが気になるときのセルフケアに取り入れやすい場所です。あわせて、シャワーで済ませず湯船に10分ほどゆっくりと浸かる習慣を持つことも、体を内側から温める助けになります。ただし、めまいや強い動悸、しびれ、急激な体重の変化など気になる症状を伴う場合や、寒がりの感じ方があまりに急激で日常生活に支障が出ている場合は、自己判断でセルフケアを続けるのではなく、早めに医療機関を受診するようにしてください。

よくいただくご質問

Q. 鍼は痛くないですか。

A. 当院で使用する鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みを感じにくいよう配慮しています。「思っていたより痛くなかった」と話される方がほとんどです。

Q. どのくらいの回数で変化を感じられますか。

A. 体質や症状の程度によって個人差はありますが、まずは4〜5回程度継続して受けていただき、体の変化をご自身と一緒に確認していくことをおすすめしています。

Q. 保険は使えますか。

A. 医師の同意があり、対象となる症状に当てはまる場合を除き、基本的には自費診療となります。ご自身の症状が対象になるかどうかは、当院までお気軽にお問い合わせください。

さいごに

季節の変わり目に感じる「急な寒がり」は、体が変化のサインを送っているのかもしれません。無理に我慢したり、原因がわからないまま不安を抱えたりせず、体の巡りを整えるケアを少しずつ取り入れていただけたらと思います。当院では、お一人お一人の体調に合わせて丁寧にお話をお伺いしながら施術を行っています。


執筆・監修:榊原 義盛
はり師・きゅう師(国家資格)/明大前はり灸院 院長
臨床歴約10年。自律神経の不調と首肩腰の痛みを中心に、延べ1万名以上の施術を担当しています。
最終更新:2026年10月11日

■ 明大前はり灸院
住所:東京都世田谷区松原2-39-19-101
アクセス:京王線・井の頭線 明大前駅 徒歩2分
電話:03-6876-9177
Webご予約:https://kenkounihari.seirin.jp/clinic/14968/reserve
HP:https://www.meidaimaehari.com/

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