腰痛が長引くとき|検査で異常なしと言われた腰と鍼灸

朝、起き上がるときに腰がずんと重い。台所に立っていると、だんだんつらくなってくる。靴下をはく動作が、いつのまにか億劫になっている。

当院にも、腰の痛みでご来院される方が多くいらっしゃいます。なかでもよく伺うのが、「病院で検査を受けたけれど、骨には異常がないと言われた」というお話です。原因がはっきりしないまま痛みだけが続くのは、体だけでなく気持ちにも重くのしかかります。

今回は、長引く腰の痛みの背景と、鍼灸でできることをご紹介します。

検査で異常なしと言われる腰痛が多いのはなぜでしょうか

画像検査で写るのは、主に骨や椎間板の形です。ところが腰の痛みは、その周りにある筋肉や筋膜のこわばり、関節の動きの悪さから生じていることが少なくありません。これらは画像には写りにくいため、「異常なし」という結果になることがあります。

こわばりが起こる背景は、多くの場合ひとつではありません。長時間の座り姿勢でお尻や太もも裏の筋肉が縮こまる。片脚に体重を乗せて立つくせがある。こうした小さな負担が積み重なり、腰まわりの血のめぐりが滞って、痛みを感じやすい状態がつくられていきます。

東洋医学では、腰は「腎(じん)」と深く関わる場所と考えます。腎はエネルギーを蓄える働きを担い、冷えや疲れ、年月の積み重ねによって力が落ちやすいとされます。ゆらぎの時期を迎えた大人女性が腰の重さを感じやすくなるのには、こうした背景もあります。

この時期に増えるのにも理由があります。夏のあいだ冷房で冷え続けた体に、朝晩の気温差が加わると、腰まわりの筋肉は縮こまったままになりがちです。そこへ不用意な動作が重なると、いわゆるぎっくり腰につながることもあります。

なぜ鍼灸で腰痛が楽になるのでしょうか

鍼灸は、こり固まった筋肉のなかでも特に硬くなっている部分に、細い鍼で直接はたらきかけることができます。指では届きにくい深いところにある筋肉にも届くのが、鍼のいちばんの持ち味です。刺激を受けた場所は血のめぐりが促され、こわばりがゆるみやすくなります。

同時に、鍼灸には自律神経のブレーキ側にはたらきかける面もあります。痛みが続くと体は防御のために緊張し、その緊張がさらに痛みを呼ぶという悪循環が生まれます。この輪をゆるめていくことで、痛みを感じにくい状態へ向かいやすくなります。

そして腰痛には、お灸がよく合います。心地よい低温のお灸で腰やおなかをじんわり温めると、冷えて縮こまっていた筋肉がゆるみ、「腰が軽くなった」「動かしやすい」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

回を重ねるうちに、痛む場面が減っていく変化が期待できます。

当院での施術のながれ

はじめに20分ほどかけてお話を伺います。どの動作でいちばん痛むのか、朝と夕方でどう違うのか、いつから続いているのか。腰痛は背景が人それぞれですので、この見立てを大切にしたうえで、前屈や後屈の動きも確認していきます。

施術では、腰そのものだけでなく、お尻や太もも裏、おなかや足元にもアプローチします。腰の痛みの引き金が、離れた場所のこわばりにあることは珍しくないためです。鍼は髪の毛ほどの細さで、痛みを強く感じる施術ではありません。当院は完全個室の1床のみ、院長がすべて担当いたします。

通院の目安は、はじめの3〜4回を週1回程度のペースで。その後は体の様子を見ながら間隔をあけていきます。無理におすすめすることはありませんので、ご相談ください。

おうちでできるセルフケア

【ツボ:腎兪(じんゆ)】

おへその高さで背中側、背骨から左右に指2本分ほど外側にあります。手を腰に当てたとき、親指が自然に触れるあたりです。腰の疲れや冷えに古くから用いられてきたツボで、押すよりも「温める」のが向いています。市販の温灸や、貼るカイロを衣類の上から当てるのもよい方法です。低温やけどにはご注意ください。

【生活習慣:30分に一度、立ち上がる】

同じ姿勢が続くこと自体が、腰にとっては大きな負担になります。デスクワークや長時間の運転では、30分に一度立ち上がって10秒ほど背伸びを。ストレッチの内容よりも、姿勢を切り替える回数のほうが大切です。あわせて、この季節は腰を冷やさないよう薄手の腹巻きを一枚足すと、朝の重さがやわらぐ方が多いです。

※次のような場合は、すぐに医療機関を受診してください。脚のしびれや力の入りにくさをともなう。じっと横になっていても強い痛みが続く。発熱や体重の減少をともなう。排尿や排便に変化がある。これらは背景に別の病気がかくれていることがあります。セルフケアはあくまで補助的なものとお考えいただければと思います。

よくいただくご質問

Q. 鍼は痛くありませんか?

A. 当院で使う鍼は髪の毛ほどの細さで、注射針とはまったく別のものです。ちくっとする程度で、多くの方が「思ったより痛くなかった」とおっしゃいます。鍼がどうしても苦手な方には、お灸や刺さない鍼を中心に組み立てることもできますので、ご遠慮なくお伝えください。

Q. 何回くらい通えばよいでしょうか?

A. 感じ方には個人差がありますが、目安として週1回を3〜4回続けていただくと、変化を実感される方が多いです。長く続いている腰痛ほど、少し時間をかけて整えていくことになります。その後は間隔をあけ、季節の変わり目にメンテナンスとしてお越しになる方もいらっしゃいます。

Q. 健康保険は使えますか?

A. 当院は自費診療のみとなります。腰痛は保険適用の対象になり得ますが、その場合は医師の同意書が必要です。時間をかけた丁寧な施術を行うため、当院は自費で統一しております。料金はメニューページをご確認ください。

さいごに

長引く腰の痛みは、「もう歳だから」と諦めてしまわれがちな不調です。けれど、こわばりや冷えといった背景を整えていくことで、変化を感じられる方は少なくありません。

朝の起き上がりがつらい、家事の途中で腰を伸ばしたくなる。そんな日が続いているようでしたら、どうぞ一度ご相談ください。明大前駅からすぐ、完全個室でお待ちしております。

■ 明大前はり灸院
住所:東京都世田谷区松原2-39-19-101
アクセス:京王線・井の頭線 明大前駅 徒歩2分
電話:03-6876-9177
Webご予約:https://kenkounihari.seirin.jp/clinic/14968/reserve
HP:https://www.meidaimaehari.com/

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