授乳中の動悸が気になる方へ|背景と体の整え方

■ 初めに

授乳の最中や、赤ちゃんを寝かしつけたあとに、ふいに胸がドキドキする。座って休んでいるだけなのに脈が速く感じる。そんなとき、「自分の体に何か起きているのでは」と不安になるものです。

育児の合間はご自分のことを後回しにしがちで、誰にも相談できないまま過ごしている方も少なくありません。当院にも、産後の不調を抱えて来られる方がいらっしゃいます。

今回は、授乳中に動悸を感じやすくなる背景と、まず確かめていただきたいことをお伝えします。

■ まず、医療機関で確かめていただきたいこと

はじめに、いちばん大切なことをお伝えします。

授乳中の動悸には、体からのサインとして医学的な確認が必要な場合があります。代表的なものが、出産にともなう出血や授乳による消耗からくる貧血、そして産後に起こることがある甲状腺の機能の変化です。どちらも動悸として感じられることがあり、血液検査で調べることができます。

とくに、じっとしていても脈が速い状態が続く、息切れや強いだるさをともなう、胸の痛みや意識が遠のく感じがある、体重が急に減った――こうした場合は、産婦人科や内科でのご相談をおすすめいたします。

「授乳中だから薬が飲めない」と受診をためらう方がいらっしゃいますが、まずは原因を確かめることが先です。授乳を続けながら対応できることも多くあります。自己判断で授乳をやめる必要はありませんので、その点も含めて医師にご相談ください。

そのうえで「検査では特に問題ありません」と言われた方に、この先を読んでいただけたらと思います。

■ 授乳中に動悸を感じやすくなる背景

産後の体は、大きな変化のただ中にあります。ホルモンのバランスが急激に切り替わり、その影響は自律神経にもおよびます。心臓の動きは自律神経が調節しているため、このゆらぎが動悸として感じられることがあるのです。

加えて、授乳期は睡眠がこまぎれになります。まとまって眠れない日が続くと、体は常に緊張のスイッチが入ったままになりやすく、休んでいるつもりでも交感神経が優位なまま。ちょっとしたことで脈が速くなったように感じられます。

母乳をつくるために水分も消耗します。水分が足りないと血液がめぐりにくくなり、体はそれを補おうとして心臓の動きを速めます。夏場はとくに起こりやすい状況です。

東洋医学では、産後を「気(き)」と「血(けつ)」を大きく消耗した状態と考えます。血が足りないと心が落ち着かず、動悸や不安感、寝つきの悪さとしてあらわれる――という見方です。

■ なぜ鍼灸で楽になるのでしょうか

検査で問題がなかった動悸の背景には、自律神経がアクセルを踏みっぱなしになっている状態があります。育児の緊張が途切れず、ブレーキのかけ方を体が忘れてしまっている。だから休んでいても切り替わらないのです。

鍼灸は、その「ブレーキのかけ方」を体に思い出してもらうためのアプローチです。細い鍼で首肩や背中のこわばりをゆるめると、体が休息のモードに入りやすくなります。抱っこや授乳の姿勢で固まった上半身がゆるむと、それだけで呼吸が深くなる方も多くいらっしゃいます。

また、心地よい低温のお灸で足元やおなかをあたためると、めぐりが整い、消耗した体を底上げしていくことが期待できます。

鍼灸の施術が母乳の成分に影響することはありません。授乳を続けながら受けていただけます。

■ 当院での施術のながれ

明大前はり灸院は、院長ひとりが完全個室(1床)で対応する小さな鍼灸院です。他の方と顔を合わせることなくお過ごしいただけます。

はじめに20分ほどかけて丁寧に問診いたします。動悸を感じるのはどんな場面か、眠れている時間はどのくらいか、お食事はとれているか。産後の体は人それぞれですので、背景をうかがったうえで施術を組み立てます。

施術は髪の毛ほどの細い鍼を使い、やさしい刺激を心がけています。通院の目安は、はじめの数回は週1回ほど。落ち着いてきたら間隔をあけていきます。

※お子様のご同伴については、ご予約時にあらかじめご相談ください。当日の状況によりご案内が変わることがございます。

■ おうちでできるセルフケア

【ツボ:内関(ないかん)】

手のひらを上に向け、手首のしわの中央から、ひじに向かって指幅3本分ほど上がったところ。2本の腱のあいだにあります。反対の親指の腹をあて、心地よいと感じる強さで5秒押して5秒はなす。左右それぞれ5回ほど。授乳中や寝かしつけの最中でも、片手で押せる場所です。

【生活習慣:こまめな水分補給】

授乳のたびにコップ1杯、を習慣にしてみてください。のどが渇いてから飲むのでは、すでに足りていないことが多いのです。手の届くところに常に飲み物を置いておくのがおすすめです。

※セルフケアはあくまで補助的なものです。動悸が続く、強くなる、他の症状をともなうといった場合は、必ず医療機関でご相談ください。

■ よくいただくご質問

Q. 鍼は痛くありませんか?

A. 当院で使う鍼は髪の毛ほどの細さで、注射針とはまったく別のものです。多くの方が「思ったより感じない」とおっしゃいます。痛みに敏感な方はどうぞ遠慮なくお伝えください。刺激の強さを調整いたします。

Q. 何回くらい通えばよいですか?

A. お体の状態によりますが、はじめの3〜5回は週1回のペースをおすすめしています。落ち着いてきたら間隔をあけていきます。産後は思うように外出できない時期でもありますので、ご都合にあわせて無理のないペースをご相談ください。

Q. 健康保険は使えますか?

A. 当院は自費診療のみとなっております。保険適用には医師の同意書が必要で、対象となる症状も限られているためです。そのぶん、お一人おひとりに時間をかけた施術をご提供しています。料金は料金ページをご覧ください。

■ さいごに

産後の体は、思っている以上に大きな仕事を終えたあとの状態です。動悸を感じたら、まずは医療機関で確かめること。そのうえで、消耗した体を整える手段のひとつとして鍼灸があります。

自分のことは後回しになりがちな時期だからこそ、ご自身の体にも目を向けていただけたらと思います。完全個室で、じっくりお話をうかがいます。

▼ご予約は24時間受付のネット予約からどうぞ
■ 明大前はり灸院
住所:東京都世田谷区松原2-39-19-101
アクセス:京王線・井の頭線 明大前駅 徒歩2分
電話:03-6876-9177
Webご予約:https://kenkounihari.seirin.jp/clinic/14968/reserve
HP:https://www.meidaimaehari.com/

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